入社当時は一般作業員として、大手自動車部品の工場で、自動車に装着する部品の組立作業をしていました。まだ作業をする工程すら完成していない状態で、工程のレイアウト・表示の作成・試作の作成・資料の作成をしていました。知らないことばかりで勉強することに必死だったので、「人のために」という意識は今ほどできていなかったように思います。

当時苦労……続きを読むしたことは、外国人従業員とコミュニケーションを取るにあたって、言語の壁をどう乗り越えるかということ。お互いに伝えたいことを理解するために、ノートを使って筆談したり、ジャスチャーを使ったりしました。一緒に作業を進めていくなかで、「ありがとう」と言い合えた時には、言葉の壁なんて厚くないと思えました。

自分のもとで働いている人がいるということが、学生の頃の自分にはなかった「責任感」を芽生えさせてくれました。自分が体調を崩してしまったら、周りに大きく影響を与えてしまう。だから、バランスのいい食事をし、きちんと睡眠時間をとるというキホンを徹底するようになりました。

照明機器の組立工場に異動になり、一般作業員・部品供給係・班長を1年かけて経験しました。班長の頃は、欠員対応や生産計画の立案・品質管理・安全管理を務めさせていただきました。社会人2年目で経験は浅く、数少ない女性班長。そんな中、初めて班長という立ち位置になり、毎日とにかく必死でした。周りは男性リーダーがほとんどで、女性リーダーがどうあるべきか……続きを読むということに悩みました。幸いにも模範となる女性リーダーと出会い、部下への指示の出し方や、コミュニケーションの取り方を真似してみることから始めました。この経験が、今の自分に繋がっていると思っています。

部下に仕事を教え、引き継ぐ立場になって分かったこと。それは、すべてを自分で抱え込まなくてもいいということでした。それまでの私は、自分の手元にある仕事は全て自分だけで完結しなければいけないと思っていました。でも、周りに任せられる仕事もあることが分かり、ずいぶん肩の荷が軽くなりました。

スタッフにステップアップしてからは、派遣取引先様への営業、工場見学、人材の入退者及び手続き、在籍従業員への声掛け、採用のための面接会などの業務を担当していました。取引先様があってこそのお仕事だったので、常に面接会場や採用センターとの情報交換をして、取引先様が要望されている人材に近い条件の方をインプットしていました。また、入社された方へのフ……続きを読むォローもかかさず実施しました。

スタッフ業務は、毎月の実績で目標が達成されるかどうかが評価となります。それまで経験した役職の中で、評価までのスパンが一番長かったです。工場という現場で日々の達成感を味わってきたこれまでとは違い、自分なりの区切りの付け方や、モチベーションの保ち方に苦労しました。

この頃に取引先様への訪問を重ねることで人見知りを克服できたことは、自分にとって大きな成長でした。訪問を初めて間もない頃のこと。「会社の顔」として見られていることを意識しすぎるあまり、すぐに緊張してしまって……。会話中も、思うように自分から話題を投げかけることができずにいました。とはいえ、何事も経験が大切。次の役職にステップアップする頃には、そんな自分を笑えるくらいになりました。

現在のポジションは、工程責任者。医療機器の組立、検査、生産管理、品質管理を行います。取引先様から部品を支給していただき、「セル工程」と呼ばれる工程で、プラモデルのように基準書を見て組立を行っていきます。ビスの付け忘れや締め忘れ、部品の向き、欠損等を検査したり、受注に応じて作業者の配置を決めています。

セル工程での組立作業は、製造に必……続きを読む要な時間が非常に長い仕事です。突発的に欠勤や退職になってしまうと、生産停止となり、納期の遅延にも繋がります。そうならないように、従業員とのコミュニケーションを密に取ることを大切にしています。

新規事業所立ち上げという貴重な経験もさせていただきましたが、当時は品質管理も全くできず、毎日不良品のクレーム対応に追われました。部品の欠品も多く、何度も生産が停止してしまったことも……た。リカバリーに走り回りましたが、今でもお客様と取引させていただいていることは、本当にありがたいことです。

自分の経験を自分なりの伝え方で引き継ぐことができていることは、自分が成長した点だと思っています。女性リーダーとして女性サブリーダーの育成に力を入れており、手応えも感じています。

「女性活躍時代」といわれている中で、もっと女性のリーダーやサブリーダーが活躍できる環境を作りたい。また、イカイには運動部があるので、仕事とクラブ活動が両立して生活できるような環境も整えていきたいと思います。