社会人になりたての時は「井の中の蛙」で、何でもやればできるというような自信家でもありました。しかし、イカイに入ってすぐに、いざ仕事をもらっても何もできないことに気づいたんです。そのため、考えをすぐに改め、「まず３年間は、がむしゃらに働いてみよう。社会人として何もわからない状況でも、まずは自主性を磨こう。自分の仕事は自分でできるようにしなけ……続きを読むれば」と、自分を変えていくことを決意。当時は1分1秒を無駄にしないように、分からなくなったらすぐ聞くことを心がけていた記憶があります。

以来10年間で、配電盤図面作成、板金用CAMデータ作成、自動車用ランプ図面作成、ランプ3Dデータモデリング、ランプ設計といった業務を担当し、徐々にステップアップしました。今思えば、この10年間はやったことのない仕事ばかりで、失敗ばかり。それでも、とにかく無我夢中で取り組みました。結果、「粘り強くやることで解決できる」と気づき、業務の繰り返しの中で短時間かつ問題なくやり遂げることができるように。スキルが日々向上していくのを感じることができました。

入社から10年経ち、ようやく一人前の設計者になりました。担当していたのは、自動車用ランプ設計、グループ員の教育、管理、監督。そして得意先の情報の報告。この頃に私は、「自動車用の」というコンセプトがとても大事に思えるようになりました。自動車は、人の安全を乗せています。だからこそ、何度も何度も検討し、ひとつのパーツを決めていきます。得意先の業……続きを読む務内容やＥＰＳ（電動パワーステアリング）の働きを通じて、いかに社会に貢献できるかを考えるようになったのもこの頃です。

当時の課題は「コミュニケーション」。自分のグループと自分の業務に携わる人、さらに多くの人を相手に業務を遂行するため、コミュニケーションを密にとっていこうと思っていましたが、簡単なことではありません。異なる意見をまとめ上げ、お互いに合意の取れる結果へと導いていく難しさを痛感しました。

ある程度の経験を積むと、自分の考えをいろんな場所で展開することが求められ、責任を取る幅も広くなります。大変であると同時に、どんどん大きな仕事を任されるようになり、多くの人の協力を得ながら完成に結び付けていく達成感が自分自身の成長を促していました。

2016年7月に係長になってからは、仕事の方向性が大きく変わりました。主な業務内容は、業務負荷管理、得意先からの業務申し入れに対する3D設計業務の指示と管理、フォロー、派遣社員の業務フォローと管理や、派遣予定者への教育。さらに、会社見学会の対応など、多岐に渡る業務を日々こなしています。

現在は、「自分ひとりがどんなに頑張っても、チー……続きを読むムの力には及ばない」ということを日々感じています。単純に「人手が増えるから」ではなく、チームで仕事を進めることは、ひとりひとりの力を有機的に結び付けます。ひとりで仕事をすれば、何でも思い通りになりますが、所詮はひとり。限界があります。大きな仕事を良い結果に結びつけるには、チームをどう動かせばいいのか考えることが重要です。

今後の目標は、ひとつの事業所を任されるセンター長になり、業務の多様化に対応できる人間になること。少子高齢化を迎える時代で、少ない次世代の人財を育てるのと同時に、私も人としてさらに成長したいと考えています。